LibeSIM
2026/05/26 01:00
SGP.31/32とは?2023年に策定されたIoTデバイス向けeSIM規格を解説

こんにちは、コモン・クリエーションでIoT・SIMエンジニアリングサービスの事業責任者をしている山本です。
本記事では、今後の普及が期待されるIoTモデル(SGP.31/SGP.32)を概説します。
1. はじめに
IoTモデルは、コンシューマモデル(SGP.22)をベースに、遠隔操作でのRSPを実現したアーキテクチャです。次の2つの文書から成ります。
SGP.31「eSIM IoT Architecture and Requirements」(アーキテクチャ・要件)
SGP.32「eSIM IoT Technical Specification」(技術仕様)
2. なぜもう1つ作られたのか
コンシューマモデルは便利な一方、プロファイル切替にユーザー操作が必要でした。IoT機器ではUI操作が難しく、機器に直接アクセスして書き換える必要があり、遠隔性に課題が残っていました。
SGP.31/SGP.32 はこの課題を、コンシューマモデルのLPAを2つに分離することで解決しました。
UIを提供して遠隔から指示を出すサーバー側の eIM(eSIM IoT Remote Manager)
実際にプロファイルダウンロードなどを行う機器側の IPA(IoT Profile Assistant)
これにより、人のいないIoT機器でも、クラウドからプロファイルを切り替えられるようになりました。プロファイルを用意する SM-DP+ や SM-DS は、コンシューマモデルのものを基本的に活かしつつ、IoT向けのインタフェース拡張(ES9+'、ES11'、ESipa など)が加わります。

3. IoTモデルだけの語彙
用語 | 意味 |
|---|---|
PSMO | Profile State Management Operation。プロファイルの有効・無効・削除などの状態操作 |
eCO | eIM Configuration Operation。eUICC側のeIM設定操作 |
eUICC Package | eIMが作る署名付きの指示パッケージ(PSMOを含む) |
ESipa | eIM と IPA の間の論理インタフェース |
NCD | Network Constrained Device。帯域・プロトコルが限られた機器 |
UICD | User Interface Constrained Device。UIが乏しい、またはない機器 |
4. メリットとデメリット
メリットは、コンシューマモデルのメリットをそのまま享受でき、事業者側の SM-DP+ や SM-DS を流用できる点です。一方デメリットは、初回起動時に使うプロビジョニング用プロファイルの準備が要ること、および eIM と IPA の実装が必要になる点です。
5. IPAeという選択肢
IPA を機器側に実装(IPAd)する場合、eUICCへのアクセス実装が必要で、IoTベンダーにとってはハードルが高めです。そこで、IPAをeUICC側に載せる IPAe を使うと、機器側の実装を軽くできます。IoTへの導入を考える際の現実的な選択肢になります。
6. まとめ
IoTモデルは、SGP.31(アーキテクチャ・要件)と SGP.32(技術仕様)で規定される、コンシューマモデル拡張型のモデル。
LPA を eIM(クラウド)と IPA(機器)に分離し、UI を伴わずに遠隔で RSP を行う。
SM-DP+ や SM-DS はコンシューマのものを基本流用し、PSMO・eUICC Package・ESipa などIoT固有の仕掛けが加わる。
IPAe を使えば機器側の実装負担を下げられる。
弊社では「LibeSIM」として、SM-DP+ や MVNO 回線、eIM(eSIM IoT Remote Manager)、eUICC、IPA/LPA のご提供を行っております。ご興味がございましたら、デモや PoC 等行っておりますので、ぜひお問い合わせください。
https://common-creation.com/service/libesim
参考文献
[1] GSMA SGP.22 v2.5「RSP Technical Specification」
[2] GSMA SGP.31 v1.2「eSIM IoT Architecture and Requirements」
[3] GSMA SGP.32 v1.2「eSIM IoT Technical Specification」