LibeSIM

2026/05/20 01:00

【SGP.32 eIMの活用例】GNSS位置情報を基にしたeIMによる回線切替

【SGP.32 eIMの活用例】GNSS位置情報を基にしたeIMによる回線切替

こんにちは、コモン・クリエーションでIoT・SIMエンジニアリングサービスの事業責任者をしている山本です。

本記事では、LibeSIMのeIM(eSIM IoT Remote Manager)とGNSS(位置情報)を組み合わせた、車載IoT機器向けの新しいユースケースをご紹介します。

はじめに

車・バス・建機・物流デバイスなど、移動するIoT機器を運用していると、こんな悩みに直面することがあります。

  • 国や地域を跨いで移動するため、エリアごとに最適な通信キャリアが異なる

  • 港湾・空港・工事現場など、特定のエリアだけローカル回線を使いたい

でも、SIMを物理的に差し替えに行くのは現実的ではない

従来であれば、現地に出向いてSIMを入れ替えるか、機器ごとに個別の回線契約を結ぶ必要がありました。これを現地に行かずに、機器が「自分のいる場所」を判断して、自動で回線を切り替えることができたら——というのが、本記事でご紹介するユースケースです。

LibeSIMでは、eIM ( eSIM IoT Remote Manager ) によるリモートでのプロファイル切替機能をベースに、GNSSの位置情報をトリガにして、エリアに応じた回線へ自動で切り替える仕組みをPoCとして実装しています。

何ができるのか

ひとことで言うと、「地図上にエリアを描いておくと、機器がそのエリアに入った瞬間に、対応する回線へ自動で切り替わる」仕組みです。

具体的には次のようなことが可能になります。

  • 県をまたいだ瞬間に、ローカルキャリアの回線へ自動で切替:例えばバスロケーションシステムで、運行エリアごとに最適な回線を使い分ける

  • 港湾・空港エリアに入ったら、低レイテンシな業務用回線へ:物流トラッキング車両が施設内に入ったときだけ、ローカル5GなどのeSIMプロフィあるを有効化

  • 工事現場・イベント会場など、一時的なエリアでの自動切替:機器の設定を一切変更せず、現地に着くだけで回線が切り替わる

ポイントは、機器に対して人が何かをする必要が一切ないことです。SIMの差し替えも、リモートログインも、コマンド送信も不要。地図上にエリアを描いて、そのエリア名と回線プロファイル名を一致させておくだけで、あとはすべて自動で動きます。

車載機器を模したユースケースでの実証実験

今回のPoCでは、車載ルータを想定して、以下のような構成で動作検証を行いました。

  • 車両:自家用車(実機としてGNSS受信機付きのIoTデバイスを搭載)

  • エリア:埼玉県内に「Kawagoe」「Saitama」という2つのエリアを地図上で定義

  • 回線:それぞれのエリア用にプロファイルを2つ用意(Kawagoe-Profile / Saitama-Profile

実際に車を走らせ、さいたま市エリアから川越市エリアへ移動するだけで、車載機器の通信が自動で切り替わることを確認しました。

  • 出発前:管理画面の地図上で車両アイコンが「Saitama」エリア内、現在のプロファイルが Saitama-Profile

  • 走行中:地図上のマーカーがリアルタイムで動いていく

  • 自動切替:管理画面の Active Profile も Kawagoe-Profile に切り替わる

  • 切替ログ:管理画面のログ画面に、切替成功の行が追加されているのが確認できる

仕組みのおおまかな流れ

技術的な詳細はあえて割愛して、流れだけご紹介します。

  1. エリアを地図に描く
    管理画面で、回線を切り替えたいエリアを地図上にポリゴン(多角形)で描き、ファイルとしてアップロードする

  2. エリアに名前をつける
    そのエリアに、eIMに登録済みのプロファイル名と同じ名前を付ける(例:Kawagoe-Profile

  3. 車載機器が自分の位置を送信
    機器は30秒ごとに、自分の現在地(緯度経度)をクラウドに送信する

  4. エリア進入を検知
    クラウド側で「機器が今、どのエリアにいるか」を判定する

  5. eIMでプロファイルを切替
    エリア名に対応する回線プロファイルを、eIM経由で機器のeUICCにEnable指示を送る

  6. 車載機器の通信が切り替わる
    eUICCが新しいプロファイルを有効化し、通信キャリアが切り替わる

ここで重要なのは、運用者が行うのは「①地図にエリアを描く」「②名前を合わせる」の2つだけという点です。あとはすべて自動で動作させることが可能です。

LibeSIMの管理画面でできること

エリアの定義からログの監査まで、管理画面ですべて完結します。

ジオフェンス設定画面

ジオフェンスの追加や修正、現在の設定状況の確認が可能です。

切り替えログ

ジオフェンスの判定で行った切り替え操作のログが確認できます。

まとめ

GNSSの位置情報とeIMを組み合わせることで、人が現地に出向くことなく、機器の通信回線をエリアごとに自動で切り替えることができるようになりました。運用者がやることは「地図にエリアを描いて、回線プロファイルと名前を合わせる」だけ。あとはeIMが裏側ですべての通信切替を担います。

今回のPoCでは車載機器を想定していますが、

  • 物流車両

  • 建機・特殊車両

  • 鉄道車両

  • 物流コンテナ

  • 移動式の医療機器・計測機器

など、「移動する」「エリアごとに最適な回線が違う」ユースケース全般に応用できると考えています。

今後は、エリアからの退出時にデフォルトプロファイルへ戻す機能や、外部システムへのWebhook通知などの拡張も検討中です。

おわりに

弊社では「LibeSIM」として、SM-DP+やMVNO回線、eIM(eSIM IoT Remote Manager)、eUICC、IPA/LPAのご提供を行っております。 ご興味がございましたら、デモやPoC等行っておりますので、ぜひお問い合わせください。

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